住み慣れた自宅で最後まで自分らしく暮らしたいと願う高齢者は多い。しかし本人が要介護状態ともなれば、独力での生活が困難になる。それでも介護施設に入るのが嫌なら、家族が世話をするしかないが、今度は家族に大きな負担がかかってしまう。
そんな在宅介護を支えるのが、宿泊、訪問、通所の3つを複合的に提供する小規模多機能型居宅介護だろう。これを上手く活用することで、高齢者に在宅生活を続けてもらいながら、家族のレスパイトケアも確保できる訳だ。そのため小規模多機能型居宅介護は、高齢者と家族の双方から感謝されることが多く、そこで働くスタッフのやりがいにも繋がっている。
また少人数定員制ならではのアットホームな雰囲気も小規模多機能型居宅介護の特徴だ。少人数なのでスタッフとしても個々の利用者の状況を把握しやすく、本人のニーズに合わせたサービスが提供できる。スタッフは身近にいる専門職として、高齢者たちの在宅生活を総合的に支えられる訳だ。
一方でこの職場は、業務が多様な割にはスタッフの人数が少ないのも事実だ。そのため入浴や食事などの介護は勿論のこと、利用者の送迎や自宅訪問といった業務までこなさなくてはならない。現場では職種を超えて協力し合う必要があるが、逆にそうした点にやりがいを見出すスタッフも多い。また業務が多岐に亘る分、幅広い介護スキルや知識を取得できるメリットもある。更には仕事を通じ、利用者や家族とのコミュニケーション力や、現場での判断能力も磨けるだろう。